楽器としてのこだわり

ケロミンはMIDI出力端子を搭載していますが、MIDI接続する他の楽器と比べて遜色の無いレベルを目指しました。

目指す音質


MIDIとは電子楽器の演奏データを機器間でデジタル転送するための規格です。
MIDIを使うことでケロミンを操作して外部の音源や楽器から音を出すことが出来ます。

ここで電子楽器の音質が、どこで決まってくるかを考えてみます。
音が出るプロセスは、音源データ → 再生 → 増幅 → スピーカーの順を経ます。
この中の一番レベルの低い部分で音質が決まることになります。

音源データ
最近の電子楽器の音の元は、元々電気信号である信号を使うものに加え、アコースティック楽器等の音を録音したデジタルデータを再生して使う方法(PCM音源)が多いようです。 ケロミンでもPCM音源を使っていますが、この音のデータは元の音が良くて、なおかつ良い録音装置で取ったデジタルデータを使えば、 ケロミンのような携帯型のものであっても最高の品質を持たせることが出来ます。
再生
再生とはデジタルデータを電気信号に変換することを指しています。この部分はD/Aコンバータと呼ばれる半導体の性能で決まってきます。 ここはiPodや携帯型のDVDプレーヤーに使っている24bitの半導体を使っています。 最近の携帯音楽機器並で良しとすればここが問題になることはありません。
増幅
アンプです。最近のアンプは、電気信号を大きくすることに関して殆ど文句の付け所が無い性能を発揮することが出来ます。 もちろん携帯型であれば電源電圧の制約から歪み率等はスペックとしては大型アンプに劣りますし音の大きさには限界はありますが、 実際に耳で聞いた限りの音質としてはアンプがネックになることは少ないと言えます。
ケロミンでは電池寿命を延ばすために80~90%の高いエネルギー効率が得られるデジタルアンプを採用しています。 一般にデジタルアンプはこれまで広く使われているAB級アンプよりも歪みが多いと言われていますが、 ケロミンで採用しているデジタルアンプは下の囲みのスピーカー選定、 開発ストーリーにあるA社のスピーカーに附属しているAB級アンプよりも低歪みになっています。
スピーカー
ここが音質の一番の要点になってきます。
一般にスピーカーは高級なものほど大きくなる傾向があります。人間の聞ける低音は20Hzまでと言われていますが、 一般の家庭用のオーディオ装置では再生できる下限は50Hz程度です。 これを如何に20Hzまで下げるかがオーディオのお金のかけ所の一つになっているわけです。
大きければ大きいほど低音の再生に有利になります。 ステレオはどのような曲を聴くかはユーザーが決めることであって、作り手側では限定することが出来ませんが、 ケロミンは楽器ですから出す音の下限は作り手が決められます。ここが音質を確保する上での大きなメリットなのです。 出す音の高さの下限が決まっていますのでそれよりも低い音の性能はスッパリと無視することで、出すべき音の音質向上をはかることが出来ます。

* スピーカー選定、開発ストーリー *

最近はパソコンで音楽を聴くことが普通になってきたようで、パソコン用のスピーカーにも良いものが出てきています。 これらはモニタの両脇に置くのが一般的ですから従来のオーディオ用よりも小さいのでケロミンに使うスピーカーのベースにうってつけです。

ケロミン用スピーカーの条件としては、

  1. 音質が良いこと・・・絶対に譲れない。
  2. 小さいこと・・・・・大きいとパペットの中に収まらない。
  3. 軽いこと・・・・・・重いと演奏者の負担になる。
その代わりに低音には目をつぶる。

大型電気店の店頭には各種スピーカーを比べて聴くことが出来るところもありますが、周囲の騒音や音源の種類の違いで、ケロミンに向くかどうかの評価はその場では出来ません。 結局ネットで評判を調べて、音質の良さそうなものを購入し、自室でじっくり聴いて絞り込みました。
1ペア安価なものは2千円程度~高級オーディオに類する外国製超小型品の4万円程度の品まで、いろいろ買って評価しました。


音質の評価基準は、ヴァイオリンのソロ演奏を再生したときの音の美しさとリアルさです。
いろいろ聴いた結果、1組の定価が18900円の卵形のものが最も優れていました。
独自の音響理論から開発した特許出願中のA社の製品で、知る人は知っている熱狂的なファンもいるスピーカーです。同メーカーから卵形の製品は2種類出てますが、口径4cmのユニットを用いている小さい方です。
このスピーカーは特別にアンプに手を加えた上でステレオの至近距離で目を瞑って聴くと、ヴァイオリンのソロでは本当に目の前で演奏しているように思えます。
自分が普段生演奏に触れていないからレベルが低いせいで甘い評価をしているのではないかと考えて純粋に生のクラシックコンサートにも足を運びましたが、 同じように聞こえたので、コンサート会場でスピーカーを探してしまった程でした(笑)
ヴァイオリンで評価する限り音質は全く文句ありません。ただ、音質を重視した小口径故に効率が低く、音の大きさが物足りないのが珠に傷です。


数量の限られた先行生産品はこの1ペア18900円する市販のスピーカーのOEM版(少し安かった)を購入、分解して使用。採算度外視です。
量産品では先行生産品のような採算を度外視したことは出来ませんで、ケロミン専用のスピーカーボックスを作りました。


最初このA社に相談しましたが、価格とカスタマイズの可否で折り合わなかったので他のメーカーを探すことにしました。 秋葉原でスピーカー単品もボックスに入ったものも使えそうなものは新品はもちろん、ジャンクも買ってきてはA社のボックスに入れて音を評価しましたがなかなか良いものがありません。
そんな時にネットでB社というスピーカーメーカーとしては新進気鋭の企業を発見。SNSにその社長さんがいらっしゃるのを見つけました。 B社では高級オーディオ用超小型高音質のスピーカーユニットを発売はじめたばかりで、早速相談をお願いしました。


小口径、高音質のスピーカーユニットの開発はできるメーカーも人材もごく限られているようで、探し当てたB社のユニット設計担当者が実は先行生産品で採用したA社の製品の開発にも わっていたことを知り、驚くと同時に安堵しました。
A社のスピーカーボックスにB社の4cmスピーカーユニットを組み合わせて試したところ、A社の音響理論を用いた構造とは違っているにも関わらず、 非常に素晴らしい表現力の曲が流れました。 他社の4cmユニットで試したときとは雲泥の差です。
元々がA社のボックスで音響理論も異なるのでバランスが取れていない部分はありましたが、その潜在的なポテンシャルはA社オリジナルのユニットを上回る部分もあります。


量産品ではB社にお願いしてケロミン用に電池ボックスを一体化し、デジタルアンプも内蔵した専用ユニットを開発していただきました。 先行品のA社のユニットを使ったものに比べ、ケロミンの用途に使う限り音質は同等で効率も若干高いスピーカーシステムが出来上がりました。



開発者の七転八倒、試行錯誤の様子をもっと知りたくなった方は「ケロミン開発日記」を是非!

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